【書評】ITに関係ないビジネスマンこそ、読むべき本
一緒にお仕事をしているHさんから、感想を寄せて頂きました。
この方はプログラミング等、エンジニアとしての経験はないのですが、あるべき業務像を明確にお持ちで、そこからご自分で「当社に必要なIT像」まで考えてしまうすごい人です。
もちろん考える時の視点は徹底して、業務サイド、ユーザーサイド、経営サイド。
そのHさんから「ユーザー視点に立ったITに関する本ということで、画期的」とまで言っていただき、ちょっとこっ恥ずかしいですね。
Hさん、ありがとうございました!
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プロジェクトは、なぜうまく行かないのか、なぜ高いのか・・・といった素朴な疑問に正面に答えている。
ITに関する書籍の多くは、ITベンダーの視点で書かれているため、ユーザーとのコミュニケーションとか、要件定義の方法、プロジェクトの進め方(ウォーターフォールモデルから・・・)と言ったところがメインである。
また、IT導入ありき、アプリ導入ありきといった本も少なくない。
この本は、そもそも、そのITプロジェクトは必要なのか、必要だとすると、どうするか。既存のシステムを発展させるか、新たなアプリを入れるか、スクラッチかパッケージかといったところからスタートしている。
つまり、ユーザー視点に立ったITに関する本ということで、画期的だと思う。
IT部門に不満を持つ、ユーザーの方々、特に、経営をあずかる方には、必読だと思う。
この本では、業務に密接に結びついたシステムをプラント型、ツールのように使うシステムをツール型と呼んでいるが、iTの進歩によって、プラント型システムとツール型システムの境界が曖昧になり、あるいは、連動してきている。
旧来のシステム部は、十分にそれにキャッチアップできていない状況であり、今後のシステムのあり方を考えさせられる。
また、人材育成についても、紙幅を割いており、特に、PMやPLの枯渇に悩んでいる企業にとっては参考になると思うし、PLの育成というのは、実はビジネスマンの育成に他ならないということに気付かされる。
システム子会社の問題点についても触れられており、システム子会社の問題点について、ここまで踏み込んで書かれたのは、初めてではないだろうか。
ITに関係ないビジネスマンこそ、読むべき本だと思う。