「会社のITはエンジニアに任せるな!」特設サイト

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【書評】IT導入の本当の意味を読みやすい文章で教えてくれる

細川義洋さんが、書評をAmazonに載せてくださいました。

細川さんは、IT紛争の民事調停委員を長くつとめていらっしゃり、ITプロジェクトの破綻のプロフェッショナルです。その経験を活かして、最近は本や記事を意欲的に発表しておられます。

例えば、「なぜ、システム開発は必ずモメるのか?」や最新刊「プロジェクトの失敗はだれのせい?」などです。

 

「会社のITはエンジニアに任せるな!」へも、このような立場からの、非常に鋭いというか、熱い書評を書いてくれています。

僕もそうですが、ITプロジェクトについて深く知ると、うまくいかないのはなぜかも見えてくるので、その大事なことが蔑ろにされていることへの憤りみたいなのを感じるんですよね・・・。

以下に、細川さんの書評をAmazonから転載します。

 

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ユーザ企業において、ただのシステム部門長が、CIOになる為に絶対に必要な考え方を、システム担当者が自分の仕事の位置付けと意味を知る為に必要な事柄を、そして、何より、ユーザ企業自身が、経営に寄与するITを導入する為に持つべき視点を、わかりやすく教えてくれる。


ITはITの為にある訳ではない。ITは組織の業務改善の為にあるのであり、経営に寄与すべきものである。手段の一つに過ぎない。
ところが、世のユーザ企業の多くは、この手段に固執し、それが本当に必要なものかも分からず、そして、それを受け入れる体制を準備することもなく、性急にシステムを導入してしまう。


経営的な目的が定かでない、コンピュータありきのIT導入は、要件やその優先順位を定め切れずに失敗するか、運良くプロジェクトがうまくいっても、結局のところ、入れて良いIT出会ったのかどうかを評価することすらできない。


ERPを導入しよう。SAPがいいらしい。SAPには、こんな機能がある、これはうちの業務にも合いそうだ・・・。
こんな動機でITを導入すれば、後に待っているのは、無駄な投資の山と、ツールいじりが好きな人だけが、喜ぶオモチャだけだ。


ITはツールであって目的ではない。
組織の経営目的、それをどのような方針のもと、どのような業務プロセスで実現するか、業務に求められる要件は何であって、そのうち、どの部分をIT化するのが、最も効果的か、ITは、そうした検討の結果、ある意味、止む無く入れるものである。
どうしても必要だから、仕方なく入れるものである。

 

この本は、IT導入時にユーザ企業で起こりがちな、過ちや誤解を避け、ユーザ企業の経営者、CIO、システム部門、そしてエンドユーザに至るまで、IT導入の本当の意味と、その段取り、必要な準備を、読みやすい文章で教えてくれる。

ユーザ企業だけでなく、ベンダーのプロマネにも、経営やITのコンサルタントにも、ぜひ、読んで欲しい一冊だ。この本を読む3,4時間で、IT導入に対する考え方が変わるかもしれない。