「会社のITはエンジニアに任せるな!」特設サイト

白川克の書籍「会社のITはエンジニアに任せるな!」に関する情報を集めています。                                    読んだ感想を是非、「IT_kansouあっとまーくml.ctp.co.jp」までメールでお寄せください。こちらに転載させていただきます!

【書評】一度プラント型ITが構築できてまわり始めると、会社はガラッと変わる

GoTheDistanceという、ちょっと変わった名前のブログがすごく前からあります。僕はここのファンでして、ずっと読んできました。

ブログ主さんは今は小さめの会社の一人情シスとして奮闘されているんですが、会社のITに対する考え方がかなり共感できます。というか、ずっと読んでいるだけに結構影響されているかも。オススメです。

で、その憧れのブログさんが、僕の本の書評を書いてくださいました!

前にコンサルタントが書いたやや中途半端な本をぶった切る書評をアップしていた硬派ブログですので、少し緊張しましたが、むしろ白川が舌足らずな大事なところを補足して頂いていたりして、「そうそう、もう少しそう書けば良かった」と思ったり(反省)。

でも、小さめの会社で自分の手で作っている方だからこそ、こういう説明ができるのかな、と思ったり・・。

むしろ本よりも先に、この書評を読んでいただきたい。

 

gothedistance.hatenadiary.jp

【記事更新】タイトルの変遷。アイディアの出し方。

本のタイトルを考えるのは本当に難しい。

ベテラン書店員さんは「売れるかどうかは装幀とタイトルを見ればだいたい予想できる」なんて言いますし。

この本を構想したのは2014年12月。それからほぼ1年間、考え続けましたよ!

 

blogs.itmedia.co.jp

【記事更新】1億でできると言ったじゃないか!

ダイヤモンドオンラインでの連載2回目。

経営者はエンジニアに対して、「いくら掛かるのか約束しろ」「いつ終わるんだ」と質問します。仕事にはスケジュールがあり、予算がありますから、当然ですね。

でも、こんな当たり前のことにも、「断絶」が潜んでいます。

 

diamond.jp

【記事更新】やり手社長がITに歯ぎしりする理由とは?

今回、本をダイヤモンド社さんから出版していますので、「ダイヤモンドオンライン」という媒体で短期連載を持つことになりました。毎週火曜日にアップされます。

 

基本的に、本の内容についてはこちらのダイヤモンドオンラインに。

本を書くにあたって考えたことや裏話などは、今までと同じオルタナブログにアップします。

で、この特設サイトにはリンクを貼ると。

基本的に面倒くさがり屋なので、3つのブログの運営がうまくできる気がしないが・・。まあ、やってみます。

 

diamond.jp

【書評】イメージ喚起力に満ちた比喩表現が多い

こちらは、同じプロジェクトでお仕事している訳ではないのですが、白川の過去の本を読んでくださっていた方からいただいた書評です。

イメージ喚起力に満ちた比喩表現が多い」とありますが、よくぞ言ってくださいました!(笑)

 

ITは目に見えないので、部外者から見ると、とにかく分かりにくい。これがエンジニアに丸投げしてしまうことの原因にもなっています。

せめてイメージだけは持ち、きちんとエンジニアと会話できるように、と思って、色々な比喩を散りばめました。

Mさん、ありがとうございました!

 

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なぜ日本には、アマゾンのようにITの力をサービスの革新や高度化に結びつけて成功している企業が少ないのだろう?という疑問を、疑問のままにしてもやもやしていた。
この本を読んで、霧が晴れ、その答えが腹の底にすっと落ちたような気がする。

IT構築がうまくいかないのは、ビジョン、リーダーシップ、マネージメント、コミュニケーションの問題があるから・・・。
これらは、経営力の問題そのものではないか!

「ITを設計・開発する」ということが、「ビジネスを作りこむ」ことと同義に近い密接不可分の関係にならざるを得ない場合が多い現在、経営力の問題がIT構築のみならず、ビジネス自体の不調にも結びついており、それが日本の停滞をもたらしている宿痾であることを著者が意識していることは想像に難くない。

親しみやすく穏やかな文章の端々からも、このことに対する著者の切歯扼腕が語られずして伝わってくる、というのは投影か。

ただ、この本の類書と異なる真価は、根深い問題を腑分けすることにとどまらず、急所を突いたノウハウを惜しみなく提示している点にこそ存する。

例えば、コスト削減のコツ、投資計画の立案についての作戦、PLの育て方などについて、今まで自分でできるとも思っていなかったことができるような気がして、と勇気が湧いてくる。これほどに手の内を明かして、著者のコンサルタントとしてのビジネスは大丈夫なのか、と余計なことを心配したくもなる。

しかし、冷静に具体的に考えてみると、それは杞憂だとわかる。

具体的な手法は理解できても、それを実行する人間に必要な知的体力、誠実さ、忍耐強さ、信念、楽観性及びインスピレーションが、読者やその属する組織に備わっているかどうかは、全くの別問題だからだ。これらの備わっていない組織は、著者のようなコンサルタントの助けを借りる必要がある。

ただ、逆に言えば、これらが備わっている組織は、本書を読んで自分たちで
動き出せるかもしれない。

なお、イメージ喚起力に満ちた比喩表現が多いのも本書の特徴だ。

(例) 
・「プラント型IT」
 ⇒業務情報がその中を流れていくことで業務が進むようなIT

・「効果をしゃぶりつくす」
 ⇒プロジェクトがゴールを迎える際の、もう一押しの改善

・「マイクロバスで家族旅行に行く」
 ⇒ITエンジニアがトラブルを恐れて高スペックのハードウェアを求める傾向

・「熱海の旅館化したIT」
 ⇒年月を経て、当初のアーキテクチャーを逸脱した改修が重ねられたIT

 

直感的に理解できる表現たち。
著者は遊び心とユーモアの豊かな人なのではないか。

 

 

 

 

【書評】プロジェクト関係者全員にこの本を読んでもらうべきだった!

こちらは、現在業務改革のプロジェクトを担当しているAさんから寄せていただいた書評です。

 

「プロジェクト関係者全員にこの本を読んでもらうべきだった!」というのは、今現在、プロジェクトをリードするのに苦労している方ならではのコメントですね。

周りの人を説得するのに苦労している、Aさんの様な方の思いを言語化したい、という狙いも、この本にはあります。「言いたいことってこういうことですよね?」と。

 

なるべく本質的なことに絞って、シンプルに説明しましたので、現場で活用して貰えたらいいなーと思っています。

 

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現在、私は基幹システム導入プロジェクトに携わっておりますが、まず痛感したのは「プロジェクト関係者全員にこの本を読んでもらうべきだった!」という一言に尽きます。

ITプロジェクトが成功するか否かは、紛れもなくその上流工程で決定されることになりますが、そこで一番大切なことは「経営」「業務部門」「IT部門」の相互理解を深めることだといえます。

この本でも繰り返し3者のコミュニケーションを円滑にすすめるための様々な方策が提示されていますが、私が得心したのは
「プロジェクトリーダーは外部から持ってくることは出来ず、内部の人材から育成するしかない」
「プロジェクトリーダーが3者の中心に立ち、リーダシップを発揮する」
といった組織論的な内容まで本書が踏み込んでいるところです。

ITシステム導入というと兎角、業務要件の整理方法やERP選定の方法論、IT技術などが前面に押し出されがちですが、実はこの3者の連携度や主体的なプロジェクトリーダの存在がシステムの完成度を決定するといっても過言ではないことに読後改めて気づかされました。


また、私はこれまで基幹システムは付加価値を生まない後方支援の仕組みだと捉えていたのですが、本書ではそれを生産プラントに例え、それ自身は企業の競争優位の源泉になり得ると喝破しています。

私の会社のシステムも本書でいう「熱海の旅館」状態になっており、全体最適からは程遠い仕組みになっております。
ところが困ったことに部分的には優れているため、全体最適化を目指そうとした途端、目の前の便利機能が失われることに対する現場の抵抗が激しくなってきています。
しかし「熱海の旅館」状態は会社を挙げて脱却していかないと競争優位性も然ることながら、システムのブラックBOX化を招くことによる事業継続性の喪失にもつながる大きな問題だと認識できるようになったことは大きな収穫でした。

 

最後になりますが、システムのリプレイス理由ってITの陳腐化や業務の見直しくらいかなぁと思っていたのですが、伊勢神宮の式年遷宮に例えてもう一つの目的に言及していたのは目から鱗でした。

ITプロジェクトに関係なくとも、何かを変えたい!と日頃から思っている人全員にお勧めします。

 

 

【書評】『ビジョナリー・カンパニー2』に勝るとも劣らぬ感動

いま一緒にプロジェクトに取り組んでいるMさんからも、書評を頂きました。

「ビジョナリー・カンパニー2」は白川にとって究極の本「the Book」ですので、さすがにこれと比べられるとムズムズしますが、嬉しいですね。

 

Mさんはエンジニアではないのですが、企画職で「ITのちからも使いつつ、もっといい会社にしよう」と毎日アイディアを出しまくっている方です。まさに、この本のドンピシャの想定読者でして、こういう方がITの本質について理解してくださると、確実に会社は変わるんですよね。

Mさん、プロジェクトでの検討がお忙しい中、ありがとうございました!

 

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『会社のITはエンジニアに任せるな!』ですが、惹き込まれるように読ませていただきました。経営からの視点で書かれていますが、若手から中堅どころのメンバーにも是非、読んでほしい1冊です。

以前にご紹介いただいた『ビジョナリー・カンパニー2』にも本当に感銘を受けましたが、この『会社のITはエンジニアに任せるな!」は、自分の業務内容に近い事柄が多く、身近に感じることができたからか、自分の中では『ビジョナリー』に勝るとも劣らぬ感動を覚えました。

 

「なぜITのプロジェクトはこんなに失敗するのか」

「なぜITはこんなに高いのか?」

「なぜIT担当者は何も約束しないコミュニケーションスタイルをとるのか」

など、日頃、ITについてモヤモヤしていたことが分かりやすく言語化されていて、全てがスッと腹落ちした気分です。

 

そして、このIT開発の現状を少しでも前に進めるために、キーマンとなるプロジェクトリーダーを多く育てようとされている姿勢にも非常に共感しました。

新国立競技場問題など、タイムリーなトピックについても本質的な問題点を分かりやすく噛み砕いてあったので、良かったです。名著『失敗の本質』が活かされていないのは新国立競技場に限った話ではありませんから、会社にも変革リーダーが必要だと改めて思いました。

 

自分の経験からも「経営」「業務」「IT」ではそれぞれ違う言語が語られている感覚なのでその断絶・隙間を埋めていく人材の厚みを増していくことは非常に重要だと気付きました。