「会社のITはエンジニアに任せるな!」特設サイト

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【書評】電車の中で「そうそう!そうなんだよ!」と叫びそうに

メールで寄せていただいた感想を、許可をもらって転載します。

まさにこの本の想定読者である、「ご自分はエンジニアではないが、仕事を通じてITに関わっている方」です。
こういう立場の方に、「ITが切り口の経営書」と言っていただき、嬉しいですね。

印象的なコメントを少し書き出しますね。

・うちの会社を見て書かれたんですか?」と思うような内容
・平易な表現でイメージしやすい事例を盛り込んだ、ITが切り口の経営書
・IT=経営姿勢そのもの
・一番響いたのは「費用対効果で示せない判断こそが経営幹部の仕事」
・電車の中で「そうそう!そうなんだよ!」と叫びそうに
・なるほどPJやっても中途半端だったり頓挫するわけだ、と妙に納得
・現在進行中のPJではまさに書かれているような形で進んでしまったこともあり、大笑い 

 

いや、この方、ブログへのアップではなく直接メールをくださったということは、ブログや執筆とか普段されていないとおもうんですけど、文才豊かですね~。情景が目に浮かびます。

ボケっと仕事せず、「これってどうなの?」と考えながら仕事をしている方にとって、ITや経営を巡る状況は、「???」となることが多いんですよ。
僕もそういうモヤモヤはずっと抱えていて、ようやく自分なりにきちんと説明できる様になったので、本を書いた次第です。

個人的にはあと2年…いや、1年早く出版して欲しかった。

とも書いてくださってます。

「5年早く」と言ってくださった方、「3年」と言ってくださった方などもいらっしゃいます。
ありがたいんですが、2014年、2015年の仕事の結果生まれた本なので、1年前の僕には書けなかったですね~。

感想を寄せていただき、ありがとうございました!

 

****************ここから

今、2周目読んでます。
前著「業務改革の教科書」に引き続き、今回も「うちの会社を見て書かれたんですか?」と思うような内容でした(笑)。

非常に(これでもかという程)わかりやすく・易しく・ユニークな表現で書かれており、ITに苦手意識を持っている人や日頃あまり活字を読まない人でも楽しく読めると思います。
逆に小難しく書かれている方が高尚、かつレベルが高いと思い込んでいる方は見向きもしされない可能性はあるかなと(色々な事柄を自省に繋げられない人には元々無用ですが)。


この本は「平易な表現でイメージしやすい事例を盛り込んだ、ITが切り口の経営書」と思います。
中で書かれている通り、このご時世ITは不可欠かつ大きな投資は経営判断の上で成されるものなので、個人的にはIT=経営姿勢そのものと思います。

また人材育成の重要性の他、様々な会社で問題や問題の元になっている事例から仕事の基本中の基本とも思える事まで(ツギハギ拡張の末の「熱海の旅館化」やIT部門の事、悪い報告に対して怒るなetc…)色々とやさし~く書かれていているので、この本を読んだ人にはPJだけでなく日々の業務・会社運営の基本心得書として使って欲しいなぁと思います。


自分に一番響いたのは「費用対効果で示せない判断こそが経営幹部の仕事」のくだり。
自分は経営幹部ではないけれど意思決定の場には同席する事もあるので、目先の費用や今更この話に戻るの?といった議論が展開されることを目撃することもしばしば。
中にも書かれていますが、IT構築だけでなくPJの類は経営の強いコミットメントがなければ成功しないと思っているので、真逆の現実に長くジレンマを感じてました。
しかし、この本の中で経営幹部の仕事は違う所にある事が明言されており、電車の中で「そうそう!そうなんだよ!」と叫びそうになってしまいました。


次に、プロジェクトリーダー(PL)とマネージャー(PM)の違いや人材育成の部分。
PMスキルは市販の書籍等で学べるけれど、世にいう「巻き込み力」的な物は別物なので、どう役割の線引きをするかなど、長らく自分でもモヤモヤしていました。そこがきちんと言葉で定義されていて、目から鱗。

そうか~、確かにPMは外から調達できても内部の牽引役として人を巻き込んだり社内調整ができるPLは外部調達できないよね。(上で述べた経営幹部の状況もあり)なるほどPJやっても中途半端だったり頓挫するわけだ、と妙に納得。
人材育成は会社によってはかなり無視される部分なので、重要だということが幾度となく書かれているのが嬉しいです。

そして最後にシステムの価格の話。
勘・経験・度胸(KKD法)による価格の取り決めは、現在進行中のPJではまさに書かれているような形で進んでしまったこともあり、大笑い。
この本を1人でも多くの発注側であるユーザー企業が読んで価格に対する考え方を変えていけば、企業・システム業者の両方で遺恨やストレスなくPJを進められるようになるでしょう。

その他、自分としてはユーザーとして出来るだけ勉強してきたつもりですが、テスト工程がこれだけ手間がかかるのは考えてなかったので、そこに目を向けられたのは大きな収穫でした。今度、SEさん達を温かい目で見ようと思いました。

以上、大まかな感想でした。
個人的にはあと2年…いや、1年早く出版して欲しかった。
これが最初から社内のキーパーソンに浸透していればPJの進め方や社内の状況がすごく違っていたと思う。ここだけ残念。
とはいえ、この本自体は時間をかけずに読める上、非常に実用的。
「会社のITはエンジニアに任せるな!」は2015年度で一番楽しい本でした。